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社長のひとりごと
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2007年8月のひとりごと

作家で、僧侶で、三春町と言えば「玄侑宗久さん」と連想されるほど郡山・三春地区では有名であるが、8月5日付福島民報の「日曜論壇」に載った彼の論文は、私も常日頃から思っていただけにまったく同感してしまった。

 見ていない方のために要点を紹介しよう。

「人は待てなくなってしまった。特に携帯電話の普及によって時差も距離も関係なくなり相手の状況を想像する間もなく押し入るようにやりとりがなされる。かつて手紙の返事を待つことは、待ち遠しく相手への思いや期待を膨らまし、更に信じたり祈ったりもした。信仰や祈りとは、待つことで涵養されるものであった。待っても来ない場合もある。だから待つということは悲しい経験を忘却し、新たな気持ちを奮い立たせることで成り立つ。つまり忘却こそ新たなエネルギーの源なのだ。

 ところが最近の機器は着信や送信の記録を残す。切っていても記録が残る。だから必ず何らかの対応をしなければならない。自然な忘却というのがあり得ないことになったので、待つことも祈りも不要なシステムになりつつある。待たない人々どうしの関係は、信じるという深みを待てないまま広がるようだ。また大事なことは忘れないとか、それほどなら忘れるなど人間の能力も、記録の一覧という均一な情報を前にして封印されてしまう。網の目のような人間関係はできるが、それは掬い上げる網ではなく、拘束のための網ではなかろうか。

 来ないかもしれない相手を待ち続ける。来るかもしれないと期待し、ときには揺れながらも信じて待った。待ちぼうけが続いて絶望したくなることもある。それでも我々は待つしかない。生きることは、きっと逢ったことのない新たな自分を待つことに違いない」

私にも経験があるが、ケータイ(携帯電話)のメールでは、真意が伝わらない。だから絵文字みたいな変な「言葉もどき」が存在する。ケータイは速さを求める伝達手段の道具である。手紙のような「起承転結」が収まらず、字の乱れもない、ややこしい感情など確実に伝わるだろうか。メールと言う伝言を相手から頂けば、返却が礼儀と言うが、返事ができない状況の場合もあるだろう。「失礼なヤツ」と言わずに、その相手の心を読み取り「思いやり」で待つことが大事なのだ。

友人間・恋人間・夫婦間・大事な商売相手など、「間」に存在するのは、じかに会っての会話につきる。その約束する日時と場所はケータイで。ケータイは、やはり便利な道具に間違いない。

2007.8.11

 
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