何年か前、東邦銀行鏡石支店で不動産の取引があり、時間調整で一度訪問したことがあった。その時は、夏であったが急に空一面黒い雲が広がり、すさまじい雷と雨のために車から一歩も外に出られず、又、カメラも所持していなかったのでガラス越しに大雨と駅を車中から眺めていただけだった。
駅の正面には「文部省唱歌 牧場の朝」の大きな看板がある。
「牧場の朝」
1.ただ一面に立ちこめた 牧場の朝の霧の海 ポプラ並木にうっすりと 黒い底から勇ましく 鐘が鳴る鳴るカンカンと
2.もう起き出した小舎小舎の あたりに高い人の声 霧に包まれあちこちに 動く羊の幾群の 鈴が鳴る鳴るリンリンと
3.今さし昇る日の影に 夢から覚めた森や山 赤い光に染められた遠い野末に牧童の 笛が鳴る鳴るピイピイと
【作詞】 杉村楚人冠(すぎむら・そじんかん 明治5年生 和歌山県出身)
朝日新聞社の記者で「アサヒグラフ」の創刊者であるらしい。
【作曲】 船橋栄吉 (ふなはし・えいきち 明治22年生 兵庫県出身)
東京音楽学校卒で同校の教授をしてベートーベンの「第九」をいち早く紹介した方らしい。
この二人が鏡石に来たかどうか、わからないが、町のホームページには、「モデルはこの町にある日本初の西洋式牧場である岩瀬牧場で、明治40年にオランダから乳牛と農機具を直輸入した際の友好のしるしに贈られた鐘がある」とある。
駅舎の隣には「牧場の牛」の像があり、又、駅から見渡すとあちらこちらに三角屋根が沢山ある。官民共に「牧場」の売り出しに力を入れていることが良く分かる風景だ。駅には商工会が同居している。明治22年に鏡田村・笠石村・成田村・久来石村が合併して鏡石村となり、昭和37年に町制を施行して鏡石町となった。
牧場の近くに昨年100周年を迎えた伝統ある県立岩瀬農業高等学校がある。町の方は親しみを込めて「がんのう」と呼ぶ。人口12,724人。

2008.1.8撮影







