「今年は、紅葉(の時間)が長いね」と、誰もが話題にしてから2週間が経過したが、11月半ばにまだまだ紅葉の会津路を走る。売地の依頼をされた場所の確認で広田町を訪ねた。平成の町村合併で広田町は会津若松市となった。
昨年(2007年)暮れの大晦日に木造の駅舎が火災になり焼失した。新しい駅舎は本年6月に完成した。その火事の様子は、駅の向いにある美味しい黒糖まんじゅうを売っている「菓子処 上田屋」さんのお嫁さんに話を訊くことができた。現在は集会場を兼ね待合室がある、和風建築の駅に仕上がっている。
35年前の昔、材木の営業をしている頃に広田駅の近くに製材所があった。今では何処にあったかも確認はできないが、踏み切りの近くだった記憶がある。
新建材の配達を兼ねてトラックで出掛けたが、帰る頃に初雪となり寒さも手伝って49号線はアイスバーンとなった。この状況では、馬力のない古いトラックでは強清水の坂は登ることはできない。しかもトラックにはチェーンが一本しかなかった。それにチェーンを止める金具とゴムがなかった。その材木店で木材の製品を結束するビニールのひもを頂き、対角線に幾重にもチェーンにかけた。後は願うだけである。片側だけのアンバランスな音の中、坂を上り猪苗代湖を過ぎ、中山峠を下ったら雪は無く磐梯熱海「うえの」のトンカツ屋の駐車場でチェーンとビニュールの命綱はお役御免となった。運転席だけ以上に暑かった当時の怖い思い出は広田や強清水の名前だけでも甦る。
広田駅のホームは他の駅より長い。晴れていれば磐梯山の尾根がきれいに見える。広田町は狭い街並みだが近くに10万㎡を超える敷地の三菱製鋼広田工場があり、今でも随所に賑わいを感じることができる町だ。田中原に「足利ギャラリー」がある。地名の如き、広い田んぼにの真ん中に塀に囲まれた古い民家と大きなケヤキと気持のやさしいご夫婦が迎えてくれる。美味しいコーヒーを飲みながら絵画や彫刻を鑑賞することができる。晩秋の会津路は常に新しい発見がある。

2008.11.11撮影







